Ancient Mushroom?


“Tin Man” music by America

 

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振り返ればもう10年以上も前になる。31日をかけて夫と二人ニューヨークからロスアンジェルスまで、くたびれかけてもなかなかファンキーだった愛車のBMW325isに乗って2度目の北米大陸横断を敢行した。これはその時の写真である。

確かな場所を覚えていないのであるが、アリゾナ州のどこかで間違いないと思う。ニューメキシコに2泊した後グランドキャニオンに向かう途中、こんな感じのロッキーな道ばかりで流れる景色にほとほと飽き、やがて「中だるみNO.8」が二人を襲った。

因みにアメリカを横断する人は必ず経験するだろう、同じような道が何時間も続き、特に南西部に多いのであるが、隣で運転する相手との会話も重たくなって車内の空気が写真のように乾燥してくるあのいやな感じ。その時の為に、旅に出る前予め手帳に話題を500は書き留めておくとよい。

さて、私たちにも「まだこんな?いつまでこんな?」な空気が立ち込め始めた頃、突然起死回生のそれが目に入った。こちらである。

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近くに車を止めて近くまで歩いていくと、188cmの夫の3倍、いや4倍あったようにも思える(実際には3倍くらいだったかもしれぬ)巨大なマッシュルーム型の岩。

「こんなセンセーションに出会えるなんて、やっぱり旅には幸運が付きものだね」
「これはもしや、古代マッシュルームの化石なんじゃなかろうかね」

などと、先程までのどよ~んとした無言の3時間をさらりと忘れ、ありもしない話に狂乱する愚かな夫婦を巨岩と、そして近くで水仕事をしていたネイティブ・アメリカンの若い女性は情けなさそうな笑顔で快く受け入れてくれた。

ネイティブ・アメリカンの歴史と文化には彼等の信仰や神話に基づいた物事がたくさんある。この岩についても何かしら彼等にとって大切な意味があるといけないと思ってエピソードや物語がないか尋ねることもせず、またマッシュルーム岩に触れもしないまま早々に車に戻った。

このような形の岩は世界各地の特に砂漠地帯に見られ、主に風や水による侵食によって数千年を掛けてマッシュルーム型になると言う。自然の営み、というよりも私は神様のいたずらと思いたいくらいにコミカルで人の心を和ませる穏やかな風貌の岩であった。

先程は調子に乗って言っていたが、「旅には幸運が付きもの」これはまんざら旅疲れした二人の寝言でもないように思う。長い長い道中、こんなに楽しいひとときを与えてくれるものに出会えるのだもの。

さて、3度目の大陸横断はいつになることか。

all photos by Katie Campbell / F.G.S.W.

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