Special Bottles for Lazy Morning

気持ちの良い風で起きる朝は、コーヒーもいいけれど
炭酸で割った爽やかなリキュールを飲みたいときもある。
ほろよいの朝も、たまにはいいものじゃない?

 

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そんな時間にぴったりの、ふと入ったワインショップで見かけた美しいボトル。

クラシカルな雰囲気に、控えめな大きさの中には色とりどりのリキュールが満たされている。少しほこりのかぶった棚に整然と並ぶ姿に、いつのまにかすっかり魅了されていた。

 

6

 

当然全てラベルはDutchで書かれており、ひとつひとつ手に取り、色や単語でフレーバーを推測してはうっとりと眺めていた。
すると店主が珍しそうに寄ってきて話しかけてくれる。
「気になるものがあったら何でも聞いておくれ」と笑い
どうやらこちらは アムステルダムに古くからある蒸留所で作られているものだとのこと。

そのとき私は、ボトルの中に金銀の箔がきらきらと輝いているものを持っていて、何のテイストなのかと想像をふくらませていたときだった。

ボトルの名は「Bruidstranen」。

 

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これはどういう意味なの? と思わず口にすると、初老の店主は ふむ、と微笑みながら

“tranen”は涙のことだ とジェスチャー付きで教えてくれ、
“Bruids”は結婚式、すなわち「花嫁の涙」というんだよ

きらきらとした金と銀の箔は喜びと、悲しみの両方の涙を表しているもの。
角度を変えながら瓶の中を覗き込むと  雪がはらはらと降るように箔が舞い降りる。
なんて美しいリキュール!と心の中でふわりと花が咲いたような気持ちになった。

 

2

 

こちらのミニボトルはまるで花嫁のヴェールを被せた可憐な姿で、結婚式の引き出物にも使われるそう。

喜びと、ほんの少しの寂しさと。人生最良の日は、良い涙だけとは限らない。

 

5

 

フレーバーは、ローズがベースにオレンジ、アーモンド、ナツメグ、シナモン…
まるでフレグランスの調香のよう。一体どんな味わいか、想像しただけでワクワクする。
もちろん60種類以上のバリエーションの中には、ストロベリー、マンダリン、ジンジャーなどブレンドがされていないものもあり。一番人気は”Yuzu(柚子)”のジンなのだとか。

ひとつひとつにシーリングワックスが施されたボトルたちにはどれも素敵な名前が冠されていて、思わず誰かにプレゼントをしたくなる。
失恋した人を慰めるためのお酒  “Bittere lijdenstroost”  はオレンジとバーボンのほろ苦い味。
仕事終わりの開放的な時間を思い切り楽しむ “Kwartier na vijfen“。
恋人たちがエキサイティングな時間を過ごしたあとのための –  “Volmaakt geluk”  はバレンタインデーのためのリキュール。

“Hef je shirt op”  あなたのシャツを持ち上げる、なんていうものも。

 

7

 

その時の気分のボトルをロックで浸るのも
あのとき あんなこともあったよねと思いを馳せながらワインとブレンドしても。
たまには起きたてのLazy morningな時間に、朝からアルコール!なんてとびきりの楽しみを持つのもいいかもしれない。

 

蒸留所
A. v. Wees  Distilleerderij   de Ooievaar

Photos by Kate zimmerman
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