船旅と愛しのKroketten

イギリスからオランダに入る時は、車ごと乗車できるフェリーを利用している。荷物ごと自由に移動できるし、たくさんの食料や雑貨を持ち帰るのに便利だからだ。

Harwich港から出る真っ白で巨大なフェリーに乗り込む人々は、キャンピングカーに自転車を積んだ人からバイカー、自転車でリュックだけ背負った身軽な人などさまざまだ。そういった人を見るたびに海で離れているとはいえオランダはとても身近に感じる異国のひとつだ。

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13階建ての旅客船Stena Line(ステナライン)フェリーは、遠くから見てもまるでビルのように巨大。

車に乗り込んだまま入国審査を済ませ、オランダのHook of Holland港に到着するのは翌日の早朝。入国審査や入船までの待ち時間など含むと到着まで約8~9時間ほどの道のりだ。

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車を駐車し船内の複雑に繋がる階段とドアを通り抜け、今夜の寝床であるキャビンに荷物を置く。キャビン内には清潔でパリッと糊のきいたシーツの2段ベッド、テレビとシャワー・トイレが完備されており、1泊して体を休めるには充分すぎるほどだ。

その後は何はともあれ、楽しみにしていたアレを求めてカフェテリアへ。

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船内のカフェテリアでは、フルコースも楽しめるが私は毎回決まってオランダのファーストフード、Kroketten(クロケット)とPatat(パタット)を注文する。

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クロケット(小さな形状のものはBitterbal(ビタバラ)と言う)というのはいわゆるオランダ式コロッケ。

日本のコロッケとは異なり牛肉のブロスから作られたソースと細かく裂いた牛肉の旨みが濃厚でネットリとした舌触り。そのままでも、つぶしてパンに挟みサンドイッチにしても美味で、マスタードソースと一緒に食べると最高で私の大好物。

添えられたパタット(フライドポテトのようなもの)には、Fritessaus(フリットサウス)を付けて食べる。このソースはマヨネーズに似ているが、それよりもかなり酸味が少なくクリーミー。我が家では常に冷蔵庫に常備していて、チップス(イギリスで言うフライドポテト)にはビネガーでもケチャップでもなく、これを付けていただく。

クロケットとパタットをビールで流し込み食欲を満たしたら、そのままおしゃべりに興じたり船内にある映画館で好きな映画を楽しんだり、免税店で買い物をしたり思い思いに過ごす。

船内には他にバー、カジノ、パソコンが使えるPCルームなど長い時間を過ごすのに充分過ぎる施設が揃っている。

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中央にあるチーズスライサーは必需品。チーズの塊をこれでスライスして食べるのだけど、オランダのは種類が多く可愛いものが多い。さすがチーズ大国なのだ。

“Burrata” – とろける魅惑のフレッシュチーズ

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飽きたら甲板に出て海風を少し楽しむ。

かつてダイビングに夢中になった時期があったにも関わらず船酔いしてしまう私も、これくらい大きな船だと揺れもなくとても快適だ。飛行機で気軽に行ける旅も便利でいいけれど、食と景色を楽しみ、ゆっくりと異国に気分をシフトさせてくれる船旅もなかなか味わい深いものがある。

Stena Line Freight公式HP

Top photo by Martin Dörsch

 

 

【今日のひとコマ】

早朝に見た対岸のHook of Holland港の周辺がすでにイギリスとは異なる風景で気分が上がる。こういった景色を楽しめるのも滑走路に囲まれた空港に着陸する飛行機では、けして味わえない船旅の良さであろう。

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