Folk Medicine~かわいい治療法

日本では昔から風邪にはネギを首に巻くとか、卵酒を飲むとかの民間治療があるが試してみたことがある方がどのくらいいるだろうか。

その人が心地良い、効きそうだと感じるのは個人差があると思うが、個人的にはネギは臭そうだし、生卵を熱燗に入れるのも想像するだけで腰がひけてしまう。

イギリスもホメオパシーは盛んで、こういった昔からある治療法も日本とは食文化が異なるだけに材料が違っておもしろい。はじめて聞いたのは、まず旅行先のベトナムで主人がお腹を壊したとき。何も食べれなくて、でも何か食べさせなくてはと心配していた私に、

「レストランで乾いたトーストをもらってきて」

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こんな美しいベトナムはニャチャン海岸のホテルで嘔吐と下痢に見舞われた主人。近所にコンビ二も何もない人里離れた場所だ。

なんでトースト?と尋ねるとお腹を壊したとき効くのだと言う。日本ならお粥など消化の良いものをいただくというのが常であるが、理由を聞くとお腹の中の水分をトーストが吸ってくれ下痢症状が引くのだそう。

いやいや・・・冗談でしょ。私からすれば、パサパサのトーストなんてお腹を壊しているときに食べる気もしない、と思ったがそのときは本人が言うのだからと素直に従い、彼も無言でボソボソとトーストを食し翌日見事に回復していた。

後に子どもが調子が悪くて病院を訪ねた際、なんと医者もそう薦めてきた。イギリスでは一般的なようだ。

次に風邪の場合。

「チキンスープ」「にんじんスープ」「Hot Dotty(白湯にレモンとはちみつ、ウィスキーを混ぜたもの」など理にかなった方法には納得がいく。変わったところでは熱が出たら、

「氷水の風呂に入る」

というのもある。友人は子どもに熱が出たとき、ご主人にそう言われ真剣に離婚を考えたと言っていた。私もたとえ40℃超えの灼熱の国にいたとしても絶対ごめんだ。

他には、

「膀胱炎にはクランベリージュース」

妊娠中に患ったことがあり薦められたのだが、後に調べたらクランベリーはビタミンCを多く含み尿路感染症に効くとのこと。糖分の摂り過ぎにはならないのかと心配ではあったが薬を飲まずとも数日で治り、確かに私には効いた。

それから一番、眉唾ものだったのがこれ。

「タンコブにバター」だ。

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歩き始めの子どもはよく転ぶ。孫にバターを塗っている義母に初めて聞いたときは、驚いた後吹き出したがよく使われる応急措置なのだそう。身体をぶつけた際に作る「痣」にも効き、しかも跡が残らないのだとか。使用するのは必ずマーガリンではなくバター、そしてぶつけたらできるだけ早く塗ること。

そう言われる根拠を調べてみた。まず身体をぶつけたら内側の毛細血管のセルが破れ血液が染み出ることで腫れや痣を作る。そこにバターを塗ることによって、バターに含まれた豊富なリン酸脂肪が皮膚から浸透し血管細胞の内壁を構成するリン酸脂質を補い、血管壁から血液が染み出ることを防ぐと一般的には理解されているようだ。

バターを打ち身に塗る効用についてのコラムはこちら

これと同じようなことで日本にいた頃、保育園に子どもを迎えに行ったら、おでこをぶつけたらしく患部に砂糖を塗られ、おばあちゃん先生に抱っこされていたことがあった。

先生いわく、砂糖は昔から床ずれや傷に対して消毒作用と解熱作用があるとして使われてきた民間療法なのだそう。実際に海外だとイギリスのWolverhampton大学でSugar Treatment(砂糖療法)が研究されている。あながち嘘とは言い切れないのだ。

砂糖療法についてのコラムはこちら

今までこのような民間療法をにわかに信じられないでいたが、その根拠を調べてみるとなかなか興味深い。効果があるかどうかは別として、子どもに使う場合「もう大丈夫、痛くないよ」のおまじないとして使うのもなんだか気持ちがほっこりするし、笑ってくれるかもしれない。

トーストやバターにシュガー、どこかかわいい響きの治療法。こうなったらバター&シュガー両方塗ったらどうなんだろうか。などとドジでせっかち、いつも知らないうちに痣を作ってしまう自分の足を見ながら本気で思ってしまった。

Top Photo by Alexander Dummer

 

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