オランダの魅惑的なソーセージ「Ossenworst」

ヨーロッパのスーパーマーケットでは、ハムやチーズのコーナーが驚くほど店内の割合を占めている。たくさんの種類がありすぎて、今でもどれを選んで良いかわからないほど。ビーフ、ポーク、チキン…に加えてベジタリアンやビーガン用のものまで。加工品とはいえ、どれもしっかりと「肉」を感じるハムやソーセージは、嗜好品ではなく保存食として根付いてきたのだと実感する美味しさ。いろいろと試してみたいと思いながら、まだまだツボになるものを引き当てる修行(?)は遠いのだけれど。

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ソーセージの種類のひとつ、「Ossenworst」というものがある。中身はなんと、生の牛ひき肉。えっ、食べられるの、大丈夫かな…と思うのも初めだけ。一口食べると生肉好きにはたちまち虜になってしまう魅惑の食べ物。

ドイツで暮らしていた頃は、「Mettwurst」という似たようなものがあった。そちらは豚の生ひき肉ソーセージ。その頃もずいぶんとお気に入りの食べ物になっていて、オランダでも生のひき肉にひるむことなく我が家の日常にしばしば登場するもののひとつ。

ソーセージ、とは言ってもペースト状で、ケーシングに詰められて売っている。初めから塩やペッパー、ハーブや燻製などの加工がされていて、ほのかに味や風味がついているのでそのままでも美味しく、くせも匂いもないので食べやすい。ドイツやオランダでは、玉ねぎのみじん切りを加えて混ぜ、ソルトやペッパーで調味をして、主にパンに塗ったりサンドイッチにして食べるそうだ。大体€1.5から€1.8ととてもお手頃。

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オランダ独自の、ラスクのような「メルバトースト」は乾燥したパンの種類。クラッカーのような役割のもので、ハムやチーズ、アイオリや甘いチョコペースト、ジャムなど何にでも合う。ちょっとブレックファストの代わりにオープンサンド風にしたり、ティータイム、ワインのお供にも最適なもの。Ossenworstも例外なくぴったりなので、気軽に食べたい時にはこんなのもおすすめ。

しかし、私のお気に入りの食べ方がもうひとつ。

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このOssenworst、食感はまさにネギトロそのもの。なかなかお刺身に恵まれない地にいたドイツ暮らしでは、Mettwurstをよく醤油やごま油、豆板醤なんかで味付けをしてご飯のお供にしていたのだ。巻き寿司にして友人たちに振る舞った時は、「SUSHI!!」ととても喜んでもらえたこともある。現地の人からみると、奇妙な食べ方なのかもしれないけれど、Asianイノベーションとして秘密(?)の食べ方だと勝手に思っていたり。ふふふ。
考えてみたら、多少味はついていても牛の生肉(加工はしてあるけれど)なのだから、ユッケみたいなものだと思うと途端に親近感がわく。

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ごはんにごまを散らして、ルッコラを敷き詰める。ほのかに香ばしい風味のルッコラは、サラダにも添え物にも合い、手軽にグリーンを加えられるお気に入りの野菜。見た目もボリュームが出るので、手抜きをしてもそれっぽく見えないのがお気に入り。(秘密、二つ目)

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レッドオニオンのスライスを混ぜたOssenworstに、温泉卵、フライドオニオンをぱらりとかけて。ご飯を炊く以外は火を使わないOssenworstボウルが手軽に完成。とろりとしたたまごに、少し濃いめの味付けはご飯とも相性が抜群。パンには負けないくらい、ご飯にも合うと思っている。もちろん、美味しいバゲットが手に入った時にはパンと食べたりもするけれど、染み付いた日本の血からすると、ご飯が恋しいと思うのだ。

All photo by Kaori