夏の終わり~私の場合

ピーチやイエロー、ブルーやピンクなどの淡いレインボーカラーの建物が立ち並ぶ、あまい砂糖菓子のような街を訪れた。

漁業が昔から盛んなこの港では、遠くの海から戻る男たちに我が家がすぐに見つけられるよう、このような色に塗り分けたのだというのは本当だろうか。

人々は夏も終わりだと言うのに、素足に砂をつけたままビーチサンダルでお茶を楽しんだり、ビーチではいくぶん柔らかくなった太陽の光を名残惜しそうに全身で享受する。

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粒子の細かい砂浜は裸足の散歩が気持ち良く、立ち止まって海を眺めたり浅瀬で集まって泳ぐ小魚を追いかけたりといつまでも退屈することがない。

 

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海岸から出る船に乗れば、自然生息するアザラシにも会える。運が良ければ飛沫を上げて船を追い越し軽やかに泳ぐイルカにも。

 

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残念ながらイルカには会えず。

不思議なことに自然動物を見ようと同じ船に乗り合わせた乗客たちは、愛嬌のあるアザラシよりも海に浮かぶ巨大なクラゲに最も大きな歓声をあげ、シャッターをしきりに切っていたのが私には可笑しくもあった。

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もうすぐ夏が終わる。

肌を刺すような日差しは気がつくと円やかに、空もぐんぐん高くなる。夕方4時ごろには青空もうっすらとピンクを混ぜた色に翳りはじめる。そろそろ次の季節の始まりだ。

さて、今年はどう気持ちを上げて心に向きあうか。鬱々とした暗さが続くこれからの季節は、それこそグレーの空色が多くなり、窓から外を見てはため息が出ることも少なくない。

もしかして、だからこそ人々は夏が終わったとたんクリスマスを心待ちにし、早くから電飾をあちこちに灯すのかもしれない。

遠いおぼろげな水平線を見つめながら、大げさでなく早くもそんな思いを巡らす夏の終わり。

Tenby, South Wales

 

 

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