Moments 22: 太陽の季節を乗せた列車

 

 

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10月。富良野の帰り、今年最後のノロッコ号を見送った。

6月から10月にかけて、色どり美しい美瑛・富良野を走るノロッコ号。

爽やかな夏風と車窓を流れゆくのどかな田園風景を眺める時間は

名所巡りよりも甘いメロンよりも心を満たしてくれる。

この夏もたくさんの笑顔と楽しい思い出を運んだのだろう。

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遠くにノロッコ号を見つけて踏切に立ち、待った。

そしてのんびりのんびり近付いた列車の中に、私は見つけた。

ふたりの乗客のすぐうしろに、太陽の季節が乗っているのを。

列車は目の前をゆっくり通り過ぎ、あとには感傷的な晩夏の余韻が漂った。

 

太陽の季節を連れ去ったノロッコ号が小さく小さく、やがて見えなくなると

雪に覆われた十勝連峰から、冬の訪れを告げる冷たい風が下りてきた。

明日はウールのコートを出そう。

 

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